お久しぶりです。あけましておめでとうございます。
ロボイチロウです。完全にポンコツと化していました。
久しぶりの更新です。
よろしくお願いします。ガガガ

ボクには小説を書いている友ロボ がいるんですが
skypeしてたら話の流れでなんかボクも書くことになりました。
テーマは桃太郎とキングコングを下敷きに舞台は現代で小説を書く。
 
どーせいって、感じでしたがこうなりました。
ロボ初小説です。最近音楽ネタがなかったのとせっかく書いたのでブログにアップしようと思います。
文章力皆無ですが多めに見てね。



雑談


「そういえば禿森のやつが桃を拾いに行ったって言ってたな。

机を一つ挟んで気だるそうな顔をした私こと北沢類子に彼はそう告げた。

「桃を拾いにって、禿森くん、わざわざその為に和歌山まで行ったっての?相変わらず行動力あるわね。」

私はわざと驚いた顔で答えた。

「そう、でも結局途中で旅費が足りなくなった事に気がついたらしくてさ。」

「わざわざ東京迄行って山陽新幹線のぞみに乗って結局京都までしか行けなくて、俺ののぞみはここで潰えた。とか言ってたよ」

「行動力のある馬鹿も考えものね」

「そうあきれた顔をしてあげるなよ。ここからが禿森の真骨頂だぜ?」

「京都で志半ばで倒れた禿森はどうしたと思う?普通なら意気消沈して自分の計画性の無さに絶望するところだぜ?」

「どうしたってのよ。早く話してよ」

彼のめんどくさいしゃべり方に少しイライラして私は催促する。

「まあ焦るなよ、ええとそうだ、禿森はね、京都駅で降りて鴨川(かもがわ)に向かったんだ」

「鴨川ってあの鴨川?なんでまた。気分を変えて観光したーって言うくだらないオチ?」

「いや、違うんだよ北沢、禿森は川で待ってたんだよ」

「待ってたって何をよ」

「川から流れてくるものなんて一つさ」

「ごめん全然わからないわ。それ」

「桃さ」


時計に目をやる。

時刻は16時50分 委員会の仕事があり教室に残って(結局だべっていただけだが)いた

が完全下校時刻である17時はもうすぐだ。


「ええと、話の途中だけど禿森君の話はもういいからそろそろ帰ろうかしら」

「ちょっと待ってくれ北沢、もう少しだけ禿森の武勇伝を聞いてあげてくれよ」

「武勇伝って。。。禿森くんが思った以上の馬鹿だったって事がわかればもう十分じゃない。その話がどう広がるのよ」

広げたノートを鞄にしまいながら私はそう吐き捨てた。

「おいおい、待ってくれよほんとにもう少しだけ話に続きがあるんだよ。むしろここからなんだよ」

「何よ、、まぁあと5分なら聞いてあげてもいいけど。。」

完全下校時刻まで5分を残した16時55分を指定する。

口は悪いが私は一応真面目なやつだ。学校のルールは守る。


彼は嬉しそうに話始めた。

「じゃぁ、手短に話すよ。禿森は桃を待っていたんだ。桃をね。」

「桃太郎って知ってる?あの川から桃が流れてくるやつ。 まぁきっと結局は想い出作りなんだけどね。

 ほんとに桃が流れてくると考えたかも怪しいもんさ。話を面白くする為にウソを言っただけかもしれないんだけどね」

「とにかく禿森は桃が流れてくるのを待っていたのさ鴨川のほとりで。夕暮れから星が出てまた日があけるまでさ」

「そこで気がついたんだよ。ああ、おれ帰りの電車賃も無いってね。」

「さすがの禿森も絶望したらしいんだよ。走って帰ったら一体どのくらい時間がかかるんだろう。京都から仙台までってね」

「走るって、、親に連絡するとかいくらでも方法はあると思うのだけど。。」

「まぁそうなんだけどさ、きっと頭が真っ白になって何も考えられなかったんだよ。禿森は」

「そしたらさ、流れてきたんだよ。」

「桃が?」

「巨大なゴリラが」

「ゴリラ?」

「ゴリラさ。動物園から逃げたゴリラが川に飛び込んで溺れてそのまま流れてきたんだってさ」

「そんな事もあるのねー」

「うん。そんで明け方で人も居なかったんだけどたまたまそこに居た禿森がゴリラを救出してさ」

「感謝したゴリラがそのまま禿森を家に届けてくれたらしいんだよ」

時刻は16時55分ジャスト 我ながら素晴らしいタイム感だとでも思っているのか彼は自慢げに話を終えた。


「途中で飽きて適当にしたでしょ。わざわざ引き止めておいてなにそのオチ。馬鹿じゃないの?」

「駄目だった?」

「駄目よ。いっつもしょうもない作り話するんだから。」

私は帰り支度をしながらそう答える。

「まぁ北沢と少しでも長い時間一緒に居たかったということでさ」

「だったらもっとまともな事しましょうよ。」

「北沢も知ってるだろ。」


そこでふたりの時間は止まる。

彼はこの教室に残された幽霊 16時から17時までの一時間だけに現れる不思議な幽霊。

どこにもいけず彼の世界はここで閉じたままなのだ。

「明日もこの時間に残れるの?」

彼はいつもしおらしく聞いてくる。

「気が向いたらね」

いつも通りに答えて私は教室を出る。

「もう少し話を練ってから人に話しなさいよね」

私は笑って教室を出た。